以下の記事では古文単語の覚え方を説明します。
単語の暗記を含む、古文の勉強の順序など総論については、別記事を参照してください。
基礎力養成ステージ
使用教材
●学校で配布されているものに抵抗がなければ、それで大丈夫です。
●新たに購入する場合、
①例文が載っているもの
②その単語のコアな意味がイメージできるようなイラストや解説が載っているもの
を選んでください。
例えば、「めざまし」という単語は、1、気に食わない 2、すばらしい という意味ですが、これをただ機械的に覚えることはあまりお勧めではありません。(すぐに忘れてしまう可能性が高いです)
単語のコアな意味(原義)として、「目が覚めるほど以外である様子」などと書かれていれば、より忘れにくくなります。もちろん例文にも目を通すことによって、よりその単語がイメージしやすくなります。
これに該当する本の典型的なものとして、たとえば、『読んで見て覚える重要古文単語315 』が挙げられます。好みの問題もありますので、できれば書店で手に取って、これなら続けられそうだ!」と思うものを選んでみてください。
●なお、『マドンナ古文単語230 パワーアップ版』は、古文に苦手意識のある生徒にとってはとっつきやすく、定評のある良い本なのですが、収録単語数が少ないという特徴があります。(その分とっつきやすいとも言えます)
例えば、前掲の『読んで見て覚える重要古文単語315』は、見出し語315語に関連語を合わせた総収録単語数が608語となります。これに対して、『マドンナ』は、見出し語230語に関連語を足した総収録単語数は380語です。
センター・共通テストで高得点を取りたい場合、600語は覚えておきたいところなので、マドンナでは最終的にはやや少ないことになります。『マドンナ』を最初に1冊に選ぶ場合、応用の1冊に進む前に別の1冊をはさむことをおすすめします。
●「語呂合わせ系」は、個人的にはあまりお勧めしません。
ゴロだけで覚えてしまうとその単語がイメージしにくく、単語の暗記のフックが弱い。また、ゴロは覚えているものの「ゴロの解釈」を忘れてしまう生徒が結構な割合で存在するからです。
本番前の駆け込み寺的に、またどうしてもゴロでなければ覚えられない生徒用です。
目標レベル
●古文単語を見て、(例文がなくても)意味がスラスラと答えられる。
●多義語についてはすべての意味が答えられる。
センターの問1では、文脈に合致するかどうかだけでは答えられず、むしろ文脈に合致する(=代入可能な)選択肢がダミーになっています。
例文を見ずとも、スラスラと答えられるようにしてください。
学習の仕方
●多い量を反復する
チマチマと1日に30語ずつなどとせず、100語を4日間繰り返すなど、
広い範囲を何回も反復する
ことを意識してください。
この方法については、本ブログ別記事のターゲットの使い方を参考にしてください。
●(最終的には)例文、語義の解説などにもすべてに目を通す。
最後には単語だけを見てスラスラと意味を答えられるというのが目標ですが、例文や語義の解説などが暗記のフック(手がかり)となります。
・まず1対1で覚える→そのあとに解説・例文に目を通す
・最初から解説・例文に目を通る→1対1で答えられるようにする
どちらの順番でも大丈夫です。やりやすい順番を考えてみてください。
●(最終的には)見出し語も覚える。
これについては、最初は見出し語のみ暗記→関連語の暗記の順番の方が、やりやすい人が多いと思います。
●読解力養成ステージ・演習ステージに入ってからも、文章中の単語を忘れてしまったと思ったらしつこく反復してください。そのようなきっかけはなくとも、模試前など定期的に見直して知識のメンテナンスをしましょう。
読解力養成ステージ以降
使用教材
:『読み解き古文単語 改訂版』
Z会による、文章の中で古文単語を覚えていこうという発想の単語帳です。
速読英単語の古文版に当たります。(同じくZ会から『速読古文単語[改訂版] 』という本も出ていますが、こちらは速読英単語とはあまり似ていません。)
●英語の速単と同じく、文脈の中で単語を覚えることができます。
●文章読解の練習にもなります。
●知っている単語の数は、(英語と同じく)知っていれば知っているだけ有利、となります。
基礎力ステージの1冊で終わらせずに、この本までできると、より得点力が安定します。
学習法
【読み解き古文単語】
●1日1講など、自分でペースを決めてください。
●前日の復習+今日の分(新規)をノルマにするなど、期間を置かずに復習をします。
●1冊全体の1周目が終わったら、2周、3周してください。
【その他】
●読解ステージ・演習ステージで忘れている単語が出てきたら、最初の単語帳でチェックしておきましょう。
●どうしても覚えられない単語がある場合、カードやノートに書きだしてもよいです。
(あまり時間をかけないこと)
●受験本番まで
・(既知の単語の)復習
・語彙力増強
が鉄則です。
模試の復習などではなるべく古文辞書も使いながら、最後まで語彙を増やしていくイメージです。