国語も勉強しなければならないのはわかるけど、どう勉強したらよいか分からない。
医学部受験は国語で差がつくって聞いたけど、今からできることは何だろう……。
以下の記事は、このような疑問・不安を抱えている生徒に向けて書きます。
国語の勉強について、よくある勘違いを以下に4つ挙げながら、国語の正しい勉強法を解説していきます。
皆さんの意識・勉強法についてチェックしてみてください。
とりあえず学校の授業を受けておけばOK! 定期考査前だけちゃちゃっと勉強しておけばよい。
まず、学校の勉強≠受験勉強と考えてください。
定期考査では基本的に、予め与えられた本文の理解が問われるため、「学校の先生の解説をしっかりと理解し、同じ答えを書く」ことが求められます。
これに対して、受験の国語では、初見の文章を読んで正しく設問に答えることが要求されます。
例えば、定期考査の古文では、「この文の主語は誰だろうか?」という主語判定は必要ありません。
既読の文章のため、本番で主語判定せずとも、「この文の主語はこの人!」と覚えておけば対処できるからです。
しかし、受験の国語では、あくまで初見の古文について、自分の力で主語判定をしなければなりません。
ただし、学校の授業内容を完全に無視してしまうというのは、よくありません。
学校の授業でも受験で使える知識はたくさん習いますので、定期考査前に一夜漬けしてすぐに忘れてしまうのは非常にもったいないです。
ただ単に定期考査のための勉強に終わらせず、“受験のために”活用し、定期考査後も知識のメンテナンスをしましょう。
学校の授業で習う、受験でも使える知識:
・古文単語
・古典文法
・古文常識
・漢文句形句法
・現代文の語句
・現代文背景知識
教科書本文の中にあるものは、文脈があるため覚えやすく、バラバラではなく有機的な知識となります。
せっかく教科書に出てくる単語や文法を、受験前にもう一度覚えなおすのは効率が悪いです。
《まとめ》
学校の勉強だけでは、受験の国語には不十分。
学校の授業は有効に活用しつつ、受験のための勉強をしましょう。
学校や塾の先生から言われたことをしておけばOK!
進学校の場合、学校の先生も受験を考えた授業をするでしょうし、過去問演習の時間もあるでしょう。
塾や予備校に通っている場合ももちろん、先生がカリキュラムを考えてくれていると思います。
しかし、「用意されたレールを疑わずに、言われたとおりに受け身の姿勢で勉強する」やり方は、特に医学部受験・難関大受験の場合よくありません。
理由1:そもそも、医学部受験には「自分でやり方を考え、自分の意思でそれを実行していく」という主体性が必要不可欠。
自分にはこれが必要だからこの勉強をする、人がやれというから何かをするのではなく、勉強の仕方も自分で決めて自分で責任を取っていくという姿勢が重要です。
過去に難関大・医学部に合格を果たした生徒や医学部の学生に聞いたところ、皆口をそろえて、「主体性がないと合格は厳しい」と言っています。
理由2:国語の場合特に、「理解できるまで、自分の頭で考える」ことが重要。
国語(特に現代文)では、“分かったふり”は禁物。
これは、学校や塾の授業・カリキュラムは無視しよう、ということではありません。
・指示されたことをやる場合には、「なぜそれが必要なのか」を理解した上で、どうせなら受験に役立つように、自分の意思で主体的に取り組む。
・指示されたことだけではなく、受験のための勉強の長期計画を立て、実行する。
ということです。
直前に過去問演習をすれば何とかなる。要は、過去問を解きまくればよい。
確かに“何とかなった”人はいますし、このような先輩や知人・友人がいる人もいるかもしれません。
しかし、自分も、“何とかなる”という保証はどこにもありません。
(別の先生が書いた記事「生存者バイアス」の一種と言えるでしょう)
より確実な方法・合格率を高める方法があるならば、それに従う方が得策だと思います。
直前の演習のみでは不十分な理由:
①《解き方のセオリー》が分からない
国語では、『常に同じやり方で解く』、ということが非常に重要です。
演習のたびに違うやり方をしていては、点数が安定しないのは当たり前です。
極端に言うと、ヤマ勘を鍛えているだけだからです。
この《セオリー》を理解しないままに、ただ闇雲に過去問を解いていても安定して高得点を取ることはできません。
演習の前に《セオリー》を身に着けておき、演習をする際には、その《セオリー》を確認しながら解く、というのが、効率的な学習法です。
この学習法を実行するためには、過去問演習の前に、『解き方』を一度身に着けておく必要があります。
②選択肢に頼ってしまい、伸び悩んでしまう、時間内に解けなくなってしまう。
センター試験、共通テストは、マーク式なので、例え解答の根拠が分からくても、5分の1の確率で正答できてしまいます。
多くの受験生は、頭の中に正解のイメージがないまま選択肢を消去法で選ぼうとします。
しかし、これでは正答率が高くはなりませんし、解くのに時間がかかってしまい時間内に解くことが難しくなります。
基本的には、選択肢を、4つ消すのではなく、1つ選ぶという戦略を取るべきです。
具体的には、
ⅰ まず頭の中に正解を作る
ⅱ それと最も近いものを選ぶ
というプロセスを取るのが、高得点を取るコツです。
このコツを実践するためには、選択肢の内容に頼らず、まず頭の中で正解を作れるようにするやり方を勉強する必要があります。
どうせ国語は勉強しても伸びない。コスパが悪いから、国語を勉強するくらいならほかの教科を勉強したほうが良い。
たしかに、国語(特に現代文)は特殊な教科です。
友達に、国語の勉強をしているようには見えないのに妙に国語の成績が良い生徒はいませんか?
「あいつにはもともとセンスがあるから解ける。自分にはセンスがないからやっても無駄だ」などと思いたくなります。
しかし、受験教科として成立している以上、センスだけで合否が決まるのでなく、客観的な解法があります。
(センスによって完全に点数が決まるのは不公平であり、受験科目として適さないからです。)
勉強していなくても解ける生徒が無意識に実践している解法を、今から勉強すればよいのです。
今までの成育歴などによる、伸び幅の個人差はたしかに否定はできませんが、勉強すれば必ず伸びる教科です。
あきらめてしまう、または後回しにしてしまうと、受験後半になればなるほど時間が取れなくなり、過去問演習をしても基礎力や解き方が身についていないため、高得点は難しくなります。
長期的な計画を立て、あきらめずにやっていきましょう。
※国語の勉強の順序については、別記事参照。