受験生が陥りやすい誤解

受験生が陥りやすい誤解

※ちょっと長い記事で、やや難解です。 

このブログもふくめ、「成功者からのアドバイス」はときに効果が出ない

あるいは、逆効果をもたらすこともあります。(経験がある方も多いでしょう)

つまり、やや危険な側面があります。

 

そういったアドバイスはちゃんと正しく受け取れない場合は、受け取る側の認識に問題があります。

 

その問題の根本には一種の誤解があります

 

自分自身がその誤解に陥ってないか、という視点が大事です。

これは少し難解な部分があり、うまく伝わるか正直自信がありませんが、何とか説明します。

 

簡単のために、この誤解が生まれる原理をある実例から紹介します。

 

 

エアバッグの普及と負傷者の増加

エアバッグが普及しだしたとき、交通事故負傷者は増加した。
一体なぜ?

とあるイベントで医学部受験について講演した時の内容の一部です。

 

実話ベースです。

 

(現象)

•エアバッグが普及しだしたとき(平成10年ころ)、病院に事故で運ばれる負傷者が増えた。

内閣府HP  道路交通事故の長期的推移  より引用

(誤解)

なぜエアバッグをつけると(安全性を上げると)負傷者が増えるのか。当初疑問を持つものが少なくなかった。

 

この種明かしはこうです。

(実際)

「いままでなら死亡事故になるような大事故でさえ、負傷事故に収まるケースが増えた。」

そのため、負傷者が増えたのです。(実際事故死亡者は平成10年くらいから減っている)

 

もしかしたら、エアバッグつけてるから大丈夫、というような過信も関係しているかもしれませんね。

 

さらに大事なことは「事故自体は減っていないのでそうなった」あるいは、「エアバッグを取り付けても事故自体は減らない」

 

というところ。

 

この誤解が生まれる根本は、エアバッグが普及する前の

死亡事故で亡くなっていた人の数の見落とし」です。

エアバッグ普及前の、「死ななかった人の数」と比較してしまったということですね。

 

この種の誤解には名前がついていて

 

生存者バイアス

 

と呼ばれます

 

生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、英語: survivorship bias, survival bias)または生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過できた人・物にのみを基準として判断を行い、通過できなかった人・物は見えなくなるためそれを見逃してしまうという誤謬である。選択バイアス英語版)の一種である。

生存者バイアス

 

受験生の陥りやすい誤解

このバイアスは受験生にも関係してきます。

合格者からのアドバイスはまさに

うまくいった人のみを基準として判断を行ったもの」が多く含まれます。

エアバッグの例のように「聞こえがいい」。

何となくうまくいくように思う。でもそれ自体は、成績を伸ばすことと直結していない。

 

たとえば

・青チャートを使ったら受かった、ネクステを使ったら受かった、〇〇予備校に通ったら受かった・・・

・いわれた宿題を2倍やったら受かった

・部活も続けながら、妥協せずに挑戦した

・スマホは受験勉強始めてから封印したら受かった

・リフレッシュに散歩を取り入れていたら受かった

・・・

 

よく聞く話ですが、正直こういった話は「エアバッグ」です。

同じ事をやって落ちた人(例でいう負傷者にあたる)は星の数です。

受かったその人だから、うまくいっただけ。

うまくいった人は、そのアドバイスには含まれない大前提があります。

それは「やることをちゃんとやっている」です。この「やること」とはとてもシンプルです。

なんだかわかりますか。

 

答えは文章の最後にあります。

 

重要なのは、同じことをやってた人がなぜうまくいかないのか、の方なのです。

 

 

前例に例えると、エアバッグのようなものは事故(成績が上がらない)自体は減らしません。死亡事故(成績が下がったり、やる気がなくなったり)は減るかもしれません。

事故自体の原因と対策がミスマッチなのです。

エアバッグの目的は、事故を減らす(成績が上がるようにする)ことではなく、交通事故死亡者を減らすこと(成績が下がらないようにする、やる気がなくなるのを防ぐ)なのですから。

事故を起こしやすい人が、エアバッグをつけたり、車の中でヘルメットをかぶったり、車を頑丈にしたり、、、といった対策は、根本的な解決策とはいえません。

 

逆に事故(成績が上がらないこと)自体を減らすために、見直すべきことは、非常にシンプル。(本当です) 

前例で言えば、「教習所で習ったことを学びなおし、その通りに運転する」でよいのです。つまり「安全運転」(シンプル!)

そのため、運転者には「免許取り消し」という制度があり、まさしくやり直しできるのです。

 

これを受験で考えると

小学校→現在までに習ったことで、苦手としていることや習得しなかったことを埋めていけばよいのです。(シンプル!)

 

 

 

以上のような理由から、なかなか成績が思うように伸びない人は

 

やり直し、さかのぼり学習、基礎からどうやって学習しなおすか、どうすれば効率的か

自分の弱点をどうやって見つけたらよいか

 

にフォーカスしたアドバイスを中心に参考にすると効果が出やすいです。

 

このブログ内の勉強法の記事も、その点にフォーカスしています。

 

現代は、こういった意味で様々な選択肢があり、とても効率的にさかのぼり学習ができます。AI学習などと耳にすると思いますが、そういった技術は予想もつかないレベルで進化していて、とても有意義です。

 

次回はその辺を紹介していきます。

 

やること小学校→現在までに習ったことで、苦手としていることや習得しなかったことを埋めていくこと

 

 

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